群書類従卷第三百八

物語部二

大和物語 上

【百二十五】

泉の大将故左のおほいとのにまうてたまへりけりほかにて酒なとまいりゑひて夜いたくふけてゆくりもなくものし給へりおとゝおとろき給ていつくにものし給へるたよりにかあらんなと聞え給てみかうしあけさはくにみふのたゝみね御ともにありみはしのもとにまつともしなからひさまつきて御せうそこ申す

鵲の渡せる橋の霜の上をよはにふみわけことさらにこそ

となんのたまふと申すあるしのおとゝいと哀におかしとおほしてそのよ一夜おほみきまいりあそひ給て大将も物かつきたゝみねもろくたまはりなとしけりこのたゝみねかむすめありときゝてある人なんえんといひけるをいとよき事なりといひけりおとこのもとよりかのたのめ給ひしことこの比のほとになん思ふといへりけるかへりことに

我宿の一村すゝきうらわかみむすひ時にはまたしかりけり

となんよみたりけるまことにまたいとちいさきむすめになむありける

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Last Modified:Thursday, February 13, 2025
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