泉の大将故左のおほいとのにまうてたまへりけりほかにて酒なとまいりゑひて夜いたくふけてゆくりもなくものし給へりおとゝおとろき給ていつくにものし給へるたよりにかあらんなと聞え給てみかうしあけさはくにみふのたゝみね御ともにありみはしのもとにまつともしなからひさまつきて御せうそこ申す
となんのたまふと申すあるしのおとゝいと哀におかしとおほしてそのよ一夜おほみきまいりあそひ給て大将も物かつきたゝみねもろくたまはりなとしけりこのたゝみねかむすめありときゝてある人なんえんといひけるをいとよき事なりといひけりおとこのもとよりかのたのめ給ひしことこの比のほとになん思ふといへりけるかへりことに
となんよみたりけるまことにまたいとちいさきむすめになむありける