群書類従卷第三百八

物語部二

大和物語 上

【七十】

おなし人に監命婦やまもゝをやりたりけれは

陸奥のあたちのやまもゝろともにこえはわかれのかなしからしを

となんいひけるさてつゝみなるいへにすみけるさてあゆをなんとりてやりける

かも川のせにふすあゆのいをとりてねてこそあかせ夢にみえつや

かくてこの男みちの国へくたりけるたよりにつけてあはれなる文ともをかきをこせけるを道にてやまひしてなんしにけるときゝて女いとあはれとなむ思ひけるかくきゝてのちしのつかのむまやといふところよりたよりにつけてあはれなることゝもをかきたるふみをなんもてきたりけるいとかなしくてこれをいつのそととひけれはつかひの久しくなりてもてきたるになんありけるをんな

しのつかのむまや/\と待わひし君はむなしく成そしにける

とよみてなんなきけるわらはにて殿上して大七といひけるをかうふりしてくら人ところにおりてかねのつかひかけてやかておやのともにいくになんありける

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Last Modified:Thursday, February 13, 2025
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