苦しい唄
隣人とか
肉親とか
戀人とか
それが何であらう――
生活の中の食ふと言ふ事が滿足でなかつたら
描いた愛らしい花はしぼんでしまふ
快活に働きたいものだと思つても
惡口雜言の中に
私はいぢらしい程小さくしやがんでゐる。
兩手を高くさし上げてもみるが
こんなにも可愛い女を裏切つて行く人間ばかりなのか!
いつまでも人形を抱いて沈默つてゐる私ではない。
お腹がすいても
職がなくつても
ウヲオ! と叫んではならないんですよ
幸福な方が眉をおひそめになる。
血をふいて悶死したつて
ビクともする大地ではないんです
後から後から
彼等は健康な砲丸を用意してゐる。
陳列箱に
ふかしたてのパンがあるが
私の知らない世間は何とまあ
ピヤノのやうに輕やかに美しいのでせう。
そこで始めて
神樣コンチクシヤウと吐鳴りたくなります。



