千載和歌集 (Senzai wakashū) — 千載和歌集卷第二十 神祇歌 作者複数 (Various) 12th Century Senzai wakashū 千載和歌集 Various 作者複数 Heian Period 中古 12th century 12世紀 Poetry 韻文 Japanese 日本語 Text 本文 1187 せんざいわかしゅう Senzai wakashū 千載和歌集 せんざいわかしゅう Various 作者複数 さくしゃふくすう
Titles ›
千載和歌集 › 千載和歌集卷第二十 神祇歌 Furigana ふりがな Vertical 縦書き
千載和歌集 Senzai wakashū
作者複数 Various
千載和歌集卷第二十 神祇歌
1253
上東門院
後一條院の御時はじめて春日の社に行幸ありけるに一條院の御時の例をおぼしめしいださせ給うてよませ給うける
三笠山さして來にけり石の上ふるき御幸のあとを尋ねて
1254
大納言經輔
長元八年關白左大臣歌合志侍りけるのち左方の人よろこびに住吉に詣でゝ歌よみ侍りけるに左の頭にてよみ侍りける
すみ吉の浪も心をよせければうべぞ汀にたちまさりける
1255
後二條内大臣
白河法皇熊野へまゐらせ給うける御供にて志ほやの王子の御前にて人々歌よみ侍りけるによみ侍りける
思ふことくみて叶ふる神なれば鹽やに跡をたるゝなりけり
1256
崇徳院御製
百首の歌めしける時神祇の歌とてよませ給うける
道のべのちりにひかりを和げて神も佛のなのるなりけり
1257
藤原清輔朝臣
天の下のどけかれとや榊葉を三笠の山にさしはじめけむ
1258
大納言隆季
中納言家成住よしにまうでゝ歌よみ侍りける時よめる
神代より津もりの浦に宮居して經ぬらむ年の限志らずも
1259
右大臣
大納言辭し申して出で仕へず侍りける時住吉の社の歌合とて人々よみにけるに述懷の歌とてよみ侍りける
數ふれば八年經にけり哀れわが沈みし事は昨日と思ふに
その後神感あるやうに夢想ありて大納言にも還任して侍りけるとなむ。
1260
皇太后宮大夫俊成
おなじ歌合に
徒にふりぬる身をもすみよしの松はさりとも哀志るらむ
1261
右大臣
おなじ歌合に社頭月といへる心をよみ侍りける
ふりにける松物いはゞとひてまし昔もかくや住の江の月
1262
俊惠法師
住吉の松の行合のひまよりも月さえぬれば霜はおきけり
1263
權大納言實國
廣田の社の歌合とて人々歌よみ侍りける時社頭雪といへる心をよみ侍りける
おしなべて雪の白ゆふかけてけりいづれ榊の梢なるらむ
1264
按察使資賢
有馬の湯に忍びて御幸ありける御供に侍りけるに湯の明神をば三輪の明神となむ申し侍ると聞きて物にかき付け侍りける
珍しき御幸を三輪の神ならば驗あり馬のいでゆなるべし
1265
權中納言經房
熊野にまうでゝ侍りける時發心門の王子にてよみ侍りける
うれしくも神の誓を志るべにて心をおこす門に入りぬる
1266
僧都範玄
三輪の社にて霞をよめる
杉がえを霞こむれど三輪の山神の志るしは隱れざりけり
1267
平實重
藏人にならぬことを歎きて年來賀茂の社に まうで侍りけるを二千三百度にもあまりける時貴舟の社にまうでゝ柱にかきつけゝる
今までになど沈むらむきぶね川かばかり早き神を頼むに
かくて後なむ程なく藏人になり侍りにける。近衛院の御時なり。
1268
賀茂政平
片岡のはふりにて侍りけるをおなじ社の禰宜にわたらむと申しける比よみてかきつけ侍りける
さりともと頼みぞかくる木綿襷わがかた岡の神と思へば
その後なむ禰宜にまかりなりにける。
1269
式子内親王
百首の歌の中に神祇の歌とて よみ給ひける
さりともとたのむ心は神さびて久しくなりぬかもの瑞垣
1270
賀茂重保
賀茂の社の歌合とて人々すゝめてよみ侍りける時述懷の歌によめる
君をいのる願を空にみて給へわけいかづちの神ならば神
1271
皇太后宮大夫俊成
おなじき社の後番の歌合の時月の歌とてよめる
きぶね川玉ちる瀬々のいはなみに氷をくだく秋の夜の月
1272
法印慈圓
述懷の歌の中によみ侍りける
わが憑む日吉の影は奥山の柴の戸までもさゝざらめやは
1273
法橋性憲
日吉の大宮の本地を思ひてよみ侍りける
いつとなくわしのたかねに澄む月の光を宿す志がの唐崎
1274
中原師尚
日吉の社に御幸侍りける時、雨のふり侍りける其時になりてはれにければよみ侍りける
御幸する高嶺の方に雲はれて空に日吉の志るしをぞ見る
1275
圓位法師
高野の山を住みうかれて後、伊勢國二見浦の山寺に侍りけるに太神宮の御山をば神路山と申す大日如來の御垂跡を思ひてよみ侍りける
深くいりて神路の奥を尋ぬれば又うへもなき峯のまつ風
1276
大中臣爲定朝臣
治承四年遷都の時伊勢太神宮に歸りまゐりて君の御祈念し申し侍りてよみ侍りける
月讀の神してさらば朝雲のかゝる浮世も晴れざらめやは
そののち世の中なほり侍りけるとなむ。
1277
能蓮法師
石清水の社に歌合とて人々よみ侍りける時社頭月といへる心をよめる
岩清水きよき流れの絶えせねば宿る月さへ隈なかりけり
1278
藤原義忠朝臣
長元九年後朱雀院の御時大甞會の主基方の神あそびの歌、丹波國神なび山をよめる
常盤なる神なび山の榊葉をさしてぞ祈る
[1]よろづよのた 14
1279
藤原經衡
治暦四年後三條院の御時大甞會の主基方の神樂の歌いはや山をよめる
動きなく千代をぞ祈るいはや山とる榊葉の色變へず志て
1280
前中納言匡房
寛治元年堀川院の御時大甞會の悠紀方の神あそびの歌、諸神の郷をよめる
いにしへの神の御代よりもろ神の祈る祝は君が世のため
1281
宮内卿永範
久壽二年院の御時、大甞會の悠紀方の神樂の歌、近江國木綿園をよめる
神うくる豊のあかりにゆふ園の日影葛ぞはえまさりける
1282
嘉應元年高倉院の御時大甞會の悠紀方の神あそびの歌、近江國守山をよめる
すべらぎを八百萬代の神も皆常磐にまもる山の名ぞこれ
1283
權中納言兼光
壽永元年大甞會の主基方の歌よみて奉りける時神樂歌丹波國神なび山をよめる
三嶋木綿かたに取懸け神なびの山の榊をかざしにぞする
1284
藤原季經朝臣
元暦元年今上の御時大甞會の悠紀方の歌奉りける神遊の歌、近江國諸神の郷をよめる
諸神の心にいまぞかなふらし君をや千代と祈るまことは
1285
藤原光範朝臣
おなじ大甞會の主基方の歌よみたてまつりける神樂の歌、丹後國千年山をよめる
ちとせ山神の代させる榊葉の榮えまさるは君がためとか
14 [1] Shinpen kokka taikan (Tokyo: Kadokawa Shoten, 1983, vol. 1) reads よろづよのため.