新勅撰和歌集 (Shin Chokusen wakashū) — 新勅撰和歌集卷第十三 戀歌三 作者複数 (Various) 13th Century Shin Chokusen wakashū 新勅撰和歌集 Various 作者複数 Kamakura-Muromachi-Azuchi-Momoyama Period 中世 13th century 13世紀 Poetry 韻文 Japanese 日本語 Text 本文 1232 しんちょくせんわかしゅう Shin Chokusen wakashū 新勅撰和歌集 しんちょくせんわかしゅう Various 作者複数 さくしゃふくすう
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新勅撰和歌集 Shin Chokusen wakashū
作者複数 Various
新勅撰和歌集卷第十三 戀歌三
785
實方朝臣
今日と頼めける女に遣しける
大井河ゐせきに淀む水なれやけふ暮がたき歎きをぞする
586a
[11] 11 郁芳門院安藝
女に遣しける人に代りてよみ侍りける
こえばやな東路ときくひたち帶のかごと ばかりの相坂の關
787
崇徳院御製
百首の歌めしける時
戀ひ/\て頼むるけふの呉機織あや憎に待つ程ぞ久しき
788
皇太后宮大夫俊成
後法性寺入道前關白の家に百首の歌よみ侍りける初遇戀
思侘び命たへずばいかにして今日と頼むる暮を待たまし
789
皇嘉門院別當
嬉しきもつらきも同じ涙にて逢夜も袖はなほぞかわかぬ
790
基俊
法性寺入道前關白の家の歌合に
かつみれど猶ぞ戀しき我妹子がゆつの妻櫛いかゞさゝまし
791
謙徳公
題志らず
悲しきも哀もたぐひ多かるを人にふるさぬ言の葉もがな
792
京極前關白家肥後
人目もる山井の清水結びても猶あかなくにぬるゝ袖かな
793
土御門内大臣
後朝の心を
きぬ%\になる共きかぬ鳥だにも明行く程ぞ聲も惜まぬ
794
八條院高倉
逢事を又は待つ夜もなきものを哀もしらぬ鳥のこゑかな
795
關白左大臣
家に百首の歌よませ侍りけるに
名にしおはぬ木綿附鳥の鳴き初てあくる別の聲も恨めし
796
中宮少將
己がねにつらき別はありとだに思もしらで鳥や鳴くらむ
797
源有長朝臣
歸るさをおのれ恨みぬ鳥の音も鳴きてぞつぐる明方の空
798
權大納言家良
戀の歌よみ侍りける中に
うかりけるたが逢事の習ひよりゆふ付鳥の音に別れけむ
799
相摸
有明の頃ものごしにあひたる人に遣しける
明方に出でにし月も入りぬらむ猶なか空の雲ぞみだるゝ
800
讀人志らず
陽成院の歌合に
をしと思ふいのちにかへて曉の別の道をいかでとゞめむ
801
題志らず
明けぬとて千鳥しば鳴く白妙の君が手枕未だあかなくに
802
後京極攝政前太政大臣
家の歌合に
わすれじの契をたのむ別かな空行く月のすゑをかぞへて
803
鎌倉右大臣
曉戀の心をよみ侍りけるに
狹莚に露のはかなく置きていなば曉ごとに消えや渡らむ
804
八條院高倉
戀の歌よみ侍りけるに
忘れじのたゞ一言を形見にて行くもとまるもぬるゝ袖哉
805
内大臣
なほざりの袖の別の一言をはかなくたのむ今日の暮かな
806
權大納言忠信
契りおくしらぬ命をうらみても曉かけてねをのみぞ鳴く
807
左近中將基良
今はとて別れしまゝの鳥の音を忘れがたみの東雲のそら
808
中宮少將
前關白の家の歌合に寄鳥戀といへる心をよみ侍りける
あかつきのゆふ付鳥も白露のおきて悲しき例しにぞ鳴く
809
侍從具定母
千五百番歌合に
暮れなばと頼めても猶朝露のおきあへぬ床に消えぬべき哉
810
京極前關白家肥後
堀河院に百首の歌奉りける時、後朝戀
杣河の瀬々の白浪よるながら明けずば何か暮を待たまし
811
皇太后宮大夫俊成
後法性寺入道前關白の家の百首の歌
となせ河岩間にたゝむ筏士や浪にぬれても暮をまつらむ
812
太宰大貳重家
二條院に百首の歌奉りける時、後朝戀
逢見てもかへる旦の露けさは笹分けし袖に劣りしもせじ
813
源家長朝臣
關白左大臣の家の百首の歌、後朝戀
きぬ%\のつらき例にたれなりて袖の別を許し初めけむ
814
法印幸清
別戀といふ心をよめる
逢坂のゆふ付鳥も別路を憂きものとてや鳴きはじめけむ
815
藤原隆祐
懇切戀といふ心をよみ侍りける
いかにせむ暮を待つべき命だに猶頼まれぬ身を歎きつゝ
816
西行法師
題志らず
消返り暮待つ袖ぞしをれぬるおきつる人は露ならねども
817
讀人志らず
現とも夢ともなくて明けにけり今朝の思はたれ勝るらむ
818
權大納言實國
現とも夢ともたれか定むべき世ひともしらぬ今朝の別は
819
謙徳公
女の許より歸りて遣しける
露よりもいかなる身とかなりぬ覽置所なき今朝の心地は
820
伊勢
題志らず
逢見ても包む思の悲しきは人まにのみぞ音はなかれける
821
中納言兼輔
東雲の明くれば君は忘れけりいつともわかぬ我ぞ悲しき
822
源宗于朝臣
白露の置くを待つ間の朝顏はみずぞ中々あるべかりける
823
業平朝臣
女の[12]許まり 12 歸りて遣しける
我ならで下ひもとくな朝顏の夕影またぬ花にはありとも
824
延喜御製
題志らず
あかでのみふればなり 鳬逢はぬよも逢夜も人を哀とぞ思ふ
825
太宰帥敦道親王
朝に遣しける
戀といへばよの常のとや思ふらむ今朝の心は類だになし
826
和泉式部
返し
世の常のこと ともさらに思ほえず始めて物を思ふ身なれば
627a
[13] 13
題志らず
夢にだにみで明しつる曉の戀こそこひのかぎりなりけれ
828
謙徳公
鳥の音にいそぎ出でにし月影の殘おほくて明けし空かな
829
後京極攝政前太政大臣
家の歌合に、夜戀の心を
みし人の寐くたれ髮の面影に涙かきやる小夜の手まくら
830
大藏卿有家
晝戀
雲となり雨となるてふ中空の夢にも見えよ夜ならずとも
831
中納言親宗
戀の歌とてよみ侍りける
轉寐のはかなき夢の覺めしより夕の雨をみるぞかなしき
832
小侍從
後京極攝政の家の百首の歌よみ侍りけるに
雲となり雨と成ても身に添はゞ空しき空を形見とやみむ
833
いかなりし時ぞや夢にみしこと は其さへに社忘られにけれ
834
從三位頼政
戀の歌とてよみ侍りける
君こふと夢のうちにもなく涙覺めての後もえこそ乾かね
835
清輔朝臣
いかにして覺めし名殘の儚さぞ又も見ざりし夜はの夢哉
836
堀河
久安百首の歌奉りける戀の歌
夢のごと 見しは人にも語らぬにいかにちがへて逢はぬ成覽
837
前關白
百首の歌奉りける戀の歌
見るとなき闇の現にあくがれて打寢る中の夢や絶えなむ
838
權大納言忠信
わが心やみの現はかひもなし夢をぞ頼む暮るゝ夜ごとに
839
藤原永光
題志らず
さりともと頼むもかなしうば玉のやみの現の契ばかりを
840
藤原隆信朝臣
師光歌合し侍りけるに戀の心をよめる
戀死なむ後の浮世は知らね共生きてかひなき物は思はじ
841
俊惠法師
後法性寺入道前關白家の百首の歌
曉の鳥ぞ思へばはづかしきひと夜ばかりに何いとひけむ
842
讀人志らず
題志らず
玉の緒の絶えて短き夏の夜の夜半になる迄待つ人のこぬ
843
二條院皇太后宮常陸
問へかしな怪しき程の夕暮のあはれすぐさぬ情ばかりに
844
建禮門院右京大夫
忘れじの契たがはぬ世なりせば頼みやせまし君がひと言
845
高松院右衛門佐
内にさぶらひける人の今夜は必ずと申しける返事に遣しける
是も亦僞ぞとは知りながら懲りずや今日の暮を待たまし
846
中宮少將
戀の歌よみ侍りけるに
僞とおもひとられぬ夕こそはかなきものゝ悲しかりけれ
847
後京極攝政前太政大臣
百首の歌めされける時
涙せく袖に思やあまるらむながむる空もいろかはるまで
848
浮舟のたよりも志らぬ浪路にもみし俤の絶えぬ日ぞなき
849
式子内親王
我妹子が玉藻の床による浪のよるとはなしにほさぬ袖哉
850
前内大臣
建保六年内裏の歌合の戀の歌
松島やわが身のかたに燒く鹽の烟のすゑをとふ人もがな
851
權中納言定家
來ぬ人を松尾の浦の夕なぎに燒くや藻鹽の身も焦れつゝ
852
權中納言長方
題志らず
戀をのみすまの汐干に玉藻刈る餘りにうたて袖な濡しそ
853
正三位家隆
心からわが身こす浪うきしづみ恨みてぞふる八重の汐風
854
平忠度朝臣
頼めつゝ來ぬ夜積りの恨みても待つより外の慰めぞなき
855
源家長朝臣
漕ぎかへる袖の湊のあま小舟里の志るべを誰かをしへし
856
眞昭法師
石見潟なみ路隔てゝ行く船のよそにこがるゝ蜑の藻鹽火
857
正三位家衡
百首の歌奉りけるに二見の浦をよみ侍りける
我戀は逢夜も志らず二見がた明けくれ袖に浪ぞかけゝる
858
鎌倉右大臣
題志らず
志らま弓いそべの山の松の色の常盤にものを思ふ頃かな
859
前關白
内大臣に侍りける時家に百首の歌よみ侍りけるに名所戀といふ心を
わくらばに相坂山のさね葛くるを絶えずと誰かたのまむ
860
むさし野や人の心のあさ露につらぬきとめぬ袖のしら玉
861
權中納言定家
暮るゝ夜は衞士のたく火を其とみよ室の八島も都ならねば
862
正三位家隆
岩の上に波こすあへの島津鳥憂名にぬれて戀つゝぞふる
11 [11] SKT assigns number 786 to this poem.
13 [13] SKT assigns number 827 to this poem.