新後拾遺和歌集

Shin Goshūi wakashū

作者複数 Various

新後拾遺和歌集卷第二十
慶賀歌

1532

前大納言爲氏

題志らず

渡つ海の眞砂の數にあまれるは久しき君が千年なりけり
1533

前中納言匡房

神山の麓をとむるみたらしの岩打つ浪やよろづ代のかず
1534

前中納言定家

建保四年、百首の歌に

芳野川いはとがしはを越す波の常磐堅磐ぞ我が君の御世
1535

後醍醐院御製

中殿にて花契萬春と云ふ事を講ぜられける時詠ませ給うける

時知らば花も常磐の色に咲け我が九重はよろづ代のはる
1536

太上天皇

永和元年三月廿三日松樹春久と云ふ事を講ぜられしついでに

十かへりの花を今日より松が枝に契るも久し萬代のはる
1537

京極前關白太政大臣

題志らず

君が代の最ど久しくなりぬれば千歳の松も若葉さしけり
1538

法印定爲

文保の百首の歌奉りける時

更に又百代はじめて我が君の天つ日嗣のすゑもかぎらじ
1539

權大納言具通

題志らず

男山いまを百代の始めにてさらにやきみを又まもらまし
1540

二條院御製

天のしたひとの心や晴れぬらむ出づる朝日の曇なければ
1541

權大納言忠光

應安二年二月六日三首の歌講ぜられし時、寄世祝

限無く代をこそてらせ雲に住む月日や君が御影なるらむ
1542

前關白近衛

應安四年九月十三夜、池月添光と云ふ事を講ぜられし時、序奉りて

千年とも言ひ出でがたし限なく月も澄むべき宿の池みづ
1543

前大納言爲定

雜の歌の中に

臥して思ひ起きて祈りし程よりも猶榮え行く君が御代哉
1544

左大臣

永徳元年六月十二日三十首の歌講ぜられし時、寄道祝

治まれる御代の志るしも更に今見えて榮ゆる敷島のみち
1545

後深草院少將内侍

寛元元年大甞會の主基方の女工所に侍りけるに雪の降る日、九重の大内山の如何ならむ限も知らず積る白雪と、常磐井入道前太政大臣の許より言ひ遣して侍りける返事に

九重のうちのゝ雪に跡つけて遙かに千世の道を見るかな
1546

後伏見院御製

花園院位におはしましける時大なるたかんなを奉らせ給ふとて包紙に書きつけさせ給うける

百敷にみどり添ふべき呉竹の變らぬかげは代々久しかれ
1547

花園院御製

御返し

百敷に移し植ゑてぞ色添はむ藐姑射の山の千世のくれ竹
1548

後西園寺入道前太政大臣

嘉元の百首の歌奉りけるに、松

四代までに舊りぬと思ふ宿の松千年の末はまだ遙かなり
1549

後二條院御製

雜の御歌の中に

高砂の尾上に立てる松が枝の色にや經べき君が千とせは
1550

伊勢

亭子院の六十の賀に京極の御息所に奉りける御屏風の歌

生ふるより年定れる松なれば久しき物と誰れか見ざらむ
1551

從二位家隆

元久二年、新古今の竟宴の歌

君住めば寄する玉藻も磨きいでつ千世も傳へよ和歌の浦風
1552

左近中將具氏

文永三年、續古今の竟宴の歌

今日や又代々のためしを繰り返しまさ木の葛長く傳へむ
1553

後光明峰寺攝政前左大臣

盡きもせじ濱の眞砂の數々に今も積れるやまとことの葉
1554

儀同三司

永和元年大甞會の悠紀方の辰の日の退出の音聲、千々松原

君が代は契るも久し百とせを十かへりふべき千々の松原

新後拾遺和歌集終

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Last Modified: Tuesday, August 31, 2004
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