新後拾遺和歌集

Shin Goshūi wakashū

作者複数 Various

新後拾遺和歌集卷第十九
神祇歌

1506

後九條前内大臣

弘長の百首の歌奉りける時、神祇

世の爲に立てし内外の宮柱たかき神路のやまはうごかじ
1507

等持院贈左大臣

貞和の百首の歌に

身を祈る人よりも猶男山すなほなるをぞまもるとは聞く
1508

源家長朝臣

石清水の社の歌合に

八幡山神やきりけむ鳩の杖老いてさかゆく道のためとて
1509

攝政太政大臣

百首の歌奉りし時

春日山さか行く神の惠もて千世ともさゝじみねの松が枝
1510

中臣延朝

題志らず

仕へこし跡をぞ頼む三笠山流石に神の捨てじとおもへば
1511

後西園寺入道前太政大臣

ひとすぢに世を長かれと祈るかな頼む三笠の杜の志め繩
1512

前中納言定家

建暦二年十二月、和歌所の廿首の歌に

跡垂れて誓ひを仰ぐ神も皆身のことわりに頼みかねつゝ
1513

中務卿宗尊親王

文永二年二月二所に詣でける時伊豆のみ山に奉りける三十首の歌の中に

神も又捨てぬ道とは頼めども哀れ知るべき言の葉ぞ無き
1514

信實朝臣

社頭述懷を

老の波猶志ば/\もありと見ばあはれを懸けよ玉津島姫
1515

前大僧正光濟

新玉津島の社の歌合に、神祇

玉津島たむくるからに言の葉の露に磨く色や見ゆらむ
1516

荒木田經直

題志らず

五十鈴河瀬々の岩波かけまくも畏き御代となほ祈るかな
1517

左大臣

百首の歌奉りし時、神祇

頼むかな我がみなもとの石清水ながれの末を神に任せて
1518

恒助法親王

題志らず

さのみなど濁る心ぞ石清水さこそ流れのかずならずとも
1519

源顯氏朝臣

よしさらば神に任せて石清水澄める心を手むけにもせむ
1520

祝部成繁

仕ふべき身とて捨て得ぬ理を流石哀れとかみや見るらむ
1521

權少僧都慶有

梅宮の立柱の日詠める

更に今花咲く梅のみや柱立てゝぞ千世のさかりをも見む
1522

賀茂脩久

題志らず

雲分けし神代は知らず今も猶かげみたらしに宿る月かな
1523

正二位隆教

嘉元の百首の歌奉りける時

忘れずよみたらし河の深き江になれて影見し山あゐの袖
1524

法眼玄全

神祇の歌に

辛崎や小波ながら寄る船を神代にかへすまつかぜぞ吹く
1525

津守國冬

神垣の松も榊も常磐なるためしかさねて世をいのるかな
1526

法眼禪嚴

題志らず

神垣や一夜の松のみしめ繩千とせをかけて世を祈るかな
1527

度會朝勝

御禊する豐宮河の志き波の數よりきみをなほいのるかな

1528

津守國平

沖つ風濱松が枝にかけてけりたむけがほなる浪の白木綿
1529

權中納言爲重

百首の歌奉りし時、神祇

あらはれし元の潮路は知らねどもいま住吉も浦風ぞ吹く
1530

津守國量

たちばなの小戸の潮瀬にあらはれて昔舊りにし神ぞ此神
1531

藤原敏行朝臣

題志らず

住吉の松の村だち幾かへりなみにむかしの花咲きぬらむ
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Last Modified: Tuesday, August 31, 2004
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