續千載和歌集 (Shoku Senzai wakashū) — 續千載和歌集卷第九 神祇歌 作者複数 (Various) Early 14th Century Shoku Senzai wakashū 續千載和歌集 Various 作者複数 Kamakura-Muromachi-Azuchi-Momoyama Period 中世 14th century 14世紀 Poetry 韻文 Japanese 日本語 Text 本文 1319 しょくせんざいわかしゅう Shoku Senzai wakashū 續千載和歌集 しょくせんざいわかしゅう Various 作者複数 さくしゃふくすう
Titles ›
續千載和歌集 › 續千載和歌集卷第九 神祇歌 Furigana ふりがな Vertical 縦書き
續千載和歌集 Shoku Senzai wakashū
作者複数 Various
續千載和歌集卷第九 神祇歌
863
後嵯峨院御製
建長五年、住江に御幸侍りて、行旅述懷と云ふ事を講ぜられ侍りけるに詠ませ給ひける
跡垂れし神世に植ゑば住吉の松も千年を過ぎにけらしも
864
太宰權帥爲經
幾千世と又行くすゑを契るらむ今日待ちえたる住吉の松
865
前右兵衞督爲教
住江や今日の御幸を待つとてぞ神も千年の種は蒔きけむ
866
山本入道前太政大臣
弘安八年住江に御幸侍りて同じ心を講ぜられ侍りけるに
住吉の松の千年もみゆきする今日の爲とや神も植ゑけむ
867
常磐井入道前太政大臣
住吉の神主國平、大宮院に御卷數、奉るとて松の枝に付けり侍りけるを見て女房に代りて
千年とも祈るしるしの言の葉をむすびや付くる住吉の松
868
權中納言爲藤
住吉の社を繪にあらはして神祇祝と云へる心を人々詠み侍りける時
住吉の松も花咲く御代に逢ひてとかへりまもれ敷島の道
869
津守經國
本社にさぶらひて雨を祈るとて詠める
さらぬだに淺澤小野の忘水忘れ果てゝもいくか經ぬらむ
870
皇太后宮大夫俊成
江上月を
思ひ出でよ神代も見きや天の原空もひとつに住の江の月
871
讀人志らず
題志らず
宮居せし神代思へば片そぎの行合ひの霜は年舊りにけり
872
津守國道
契有りてつかふる神の御しめ繩猶代々かけて身を頼む哉
873
前大納言爲家
玉津島に詣でゝ詠み侍りける
みがき置くあとを思はゞ玉津島今もあつむる光をもませ
874
前大納言爲氏
源兼氏朝臣すゝめ侍りける玉津島の社の十五首の歌に
敷島や大和ことの葉我が世まで享けゝる神の末も頼もし
875
前關白太政大臣家讃岐
題志らず
和歌の浦や藻に埋もれし玉も今光を添へて神ぞ見るらし
876
津守國助
和歌の浦に立てし誓の宮柱いく世もまもれしきしまの道
877
入道前太政大臣の家の十五首の歌に、述懷
一筋に憂きをもいかに歎かまし神に任せぬ我身なりせば
878
前大納言爲氏
春日の社に奉りける歌の中に
埋れ木の身は徒に舊りぬとも神だに春のめぐみあらはせ
879
前僧正實聰
前關白太政大臣、春日の社に詣で侍りけるに、山階寺の別當にて代々の跡に變らず執り行ひて思ひつゞけ侍りける
三笠山老木も今は花咲きて代々にかはらず春に逢ひぬる
880
前參議雅孝
題志らず
三笠山春のめぐみのあまねくば藤の末葉も猶やさかえむ
881
一條内大臣
嘉元の百首の歌奉りし時、山
照せなほ山はみかさの朝日影あふぐ心もくもりやはする
882
前中納言定家
西行法師、人々すゝめて百首の歌詠ませ侍りけるに
なか/\に指しても言はじ三笠山思ふ心は神ぞ知るらむ
883
常磐井入道前太政大臣
水無月の頃春日の社に籠りて法樂し侍りける歌の中に
春日山深くたのみし夏草の茂きめぐみぞ身にあまりぬる
884
後二條院御製
神祇の心を詠ませ給ひける
人よりは哀れとおもへ春日山しかもたのみをかくる年月
885
前中納言定資
のぼるべき跡をば捨てし春日山今一さかは神にまかせむ
886
中臣祐茂
題志らず
かすが山あまつ兒屋根の眞澄鏡映りし影の月を見るかな
887
前僧正實聰
榊葉に志ら木綿かけてつもりけり三笠の杜の今朝の初雪
888
後京極攝政太政大臣
頼もしな佐保の河瀬の神さびて汀の千鳥八千代とぞ鳴く
889
中臣祐春
若宮の神主になりて後詠める
世々かけて神に仕ふる名取川かゝる瀬迄と身をぞ祈りし
890
狛秀房
題志らず
二葉より神をぞ頼むをしほ山我もあひおひの松の行く末
891
權大僧都公順
わづらふ事ありて久しく熊野に詣で侍らざりける頃詠み侍りける
思ひやる袖も濡れけり岩田河わたりなれにし瀬々の白浪
892
前大僧正禅助
題志らず
今もなほ哀れをかけよみくま野や昔のあとは神も忘れじ
893
法皇御製
稻荷山祈る驗のかひもあらば杉の葉簪しいつか逢ひ見む
894
權大納言經繼
二品法親王の家の五十首の歌に、杉雪
冬されば三輪の杉むら神さびて梢にかゝる雪のしら木綿
895
入道前太政大臣
弘安の百首の歌奉りける時
雪降れば三輪のすぎ村木綿懸けて冬こそ神の印見えけれ
896
從二位家隆
光明峰寺入道前攝政内大臣に侍りける時、家に百首の歌詠み侍りけるに
千早ぶる神の御室の眞澄鏡懸けていく世の影を變ふらむ
897
法性寺入道前關白太政大臣
題志らず
神がきや御室のやまの郭公ときはかきはの聲と聞かばや
898
祐子内親王家紀伊
御あれの日音づれて侍りける人の返事に
もろかづらかた/\懸くる心をば哀とも見し賀茂の瑞垣
899
從三位氏久
虫屋を作りて前大納言資季の許へ送り遣すとて
君のみや千とせも飽かず聞き舊りむ我が神山の松虫の聲
900
前大納言資季
返し
幾千世か鳴きて經ぬらむ千はやぶるその神山の松虫の聲
901
權僧正桓守
神祇を
曇なき君が御世にぞ千はやぶる神も日吉の影を添ふらむ
902
前大僧正仁澄
君守る神も日吉の影添へてくもらぬ御世をさぞ照すらむ
903
前大僧正慈鎭
日吉の社に詠みて奉りける百首の歌に
さりともと照す日吉を頼むかな曇らずと思ふ心ばかりに
904
法眼兼譽
神恩の深き事を思ひて詠める
淺からぬ惠に知りぬのちの世の闇も日吉の照すべしとは
905
天台座主慈勝
拜堂の後、社頭にて詠み侍りける
忘れじなおもひしまゝに見る月の契ありける七の神がき
906
前大納言爲世
百首の歌奉りし時
道まもる七の社のめぐみこそ我が七十ぢの身に餘りけれ
907
祝部行氏
題志らず
いにしへに神のみ舟を引きかけし梢や今のからさきの松
908
法眼慶宗
みな人のたのみを懸けて神垣に祈ればなびく松の白木綿
909
後近衛關白前右大臣
大方の世をしづかにと祈るこそ神の惠にまづかなふらめ
910
前關白左大臣押小路
百首の歌奉りし時
天地の開けそめける神代より絶えぬ日つぎの末ぞ久しき
911
法皇御製
寄國祝と云へる心を詠ませ給うける
かたぶかぬ速日の峰に天降るあめのみまごの國ぞ我が國
912
百首の歌めされしついでに
我が國に内外の宮とあらはれて傳へし法を今まもるらむ
913
前右大臣
嘉元の百首の歌奉りし時、河
濁なきかみの心をあらはして御裳濯河やながれそめけむ
914
伏見院御製
河月と云へる心を
五十鈴川絶えぬ流れの底きよみ神代かはらず澄める月影
915
惠助法親王
澄む月の影を映して五十鈴川濁らぬ世にもかへる浪かな
916
法印最信
太神宮に詣でゝ詠み侍りける
五十鈴川とほきむかしの神代まで心にうかぶ夜半の月影
917
度曾行忠
題志らず
すべらぎの天のみおやのみことのり傳へて祈る豐の宮人
918
荒木田氏忠
神路山かげのこ草は萠えにけり末葉も洩れぬはるの惠に
919
法眼源承
伊勢の國に知る所侍りけるを人に妨げらるゝ由うたへ申し侍りけるが、未だ事行かず侍りけるに、民部卿資宣の許へ申し遣しける
伊勢の海や今も天照る神風に道ある浪のよるべをぞ待つ
920
大江貞重
題志らず
祈りこし志るしあらせよ石清水神も我身を思ひ捨てずば
921
前大納言師重
石清水臨時時祭を
九重の今日のかざしの櫻ばな神もむかしの春はわすれじ
922
後二條院御製
神祇の心を
世の爲もあふぐとを知れ男山むかしは神の國ならずやは
923
法皇御製
百首の歌めされし次でに
世を思ふ我がすゑまもれ石清水きよき心のながれ久しく
924
前大納言爲世
嘉元元年伏見院の三十首の歌奉りし時、夜神樂
更けぬるか眞弓つき弓押し返し謠ふ神樂のもとすゑの聲
925
前中納言定家
文治六年女御入内の屏風に、内侍所の御神樂の儀式のある所
空冴えてまだ霜ふかき明けがたにあか星うたふ雲の上人
926
前中納言匡房
天仁元年鳥羽院の御時大甞曾の悠紀方の神樂の歌、音高山を詠める
よばふなるおとたか山の榊葉の色にかはらぬ君が御世哉
927
左京大夫顯輔
康治元年近衞院の御時大甞曾の悠紀方の神樂の歌、三上山を詠める
千早振三上の山の榊葉を香をかぐはしみとめてこそ取れ
928
前大納言俊光
延慶二年新院の御時、大甞曾の悠紀方の神樂の歌、石戸山を詠める
久方の天の岩戸の山の端にとこやみ晴れて出づる月かな