新後拾遺和歌集 (Shin Goshūi wakashū) — 新後拾遺和歌集卷第十四 戀歌四 作者複数 (Various) Late 14th Century Shin Goshūi wakashū 新後拾遺和歌集 Various 作者複数 Kamakura-Muromachi-Azuchi-Momoyama Period 中世 14th century 14世紀 Poetry 韻文 Japanese 日本語 Text 本文 1382 しんごしゅういわかしゅう Shin Goshūi wakashū 新後拾遺和歌集 しんごしゅういわかしゅう Various 作者複数 さくしゃふくすう
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新後拾遺和歌集 › 新後拾遺和歌集卷第十四 戀歌四 Furigana ふりがな Vertical 縦書き
新後拾遺和歌集 Shin Goshūi wakashū
作者複数 Various
新後拾遺和歌集卷第十四 戀歌四
1154
西園寺入道前太政大臣
洞院攝政の家の百首の歌に
曇るさへ嬉しと見えし大空の暮るゝもつらく何時なりに劍
1155
讀人志らず
題志らず
言の葉もかき絶えぬればつらかりし空頼めさへ戀しかり鳬
1156
爲冬朝臣
元亨三年三月盡、後醍醐院に三首の歌講ぜられける時、契戀
僞と思はゞ猶も如何ならむ頼むにだにもかはるちぎりを
1157
前大納言爲定
契變戀
契りしも頼まぬ物を今更に變るこゝろの如何で見ゆらむ
1158
後勸修寺前内大臣
貞和二年、百首の歌に
逢ふまでを限る命と思ひしは行くすゑしらぬ心なりけり
1159
讀人志らず
題志らず
來る人もあらじ今はの山かづら曉かけてなにと待つらむ
1160
津守國助
寄帆戀
頼まじなことうら風に行く舟の片帆ばかりにかゝる契は
1161
讀人志らず
題志らず
寄る方と頼むもよその中なれやこと浦舟のすゑの潮かぜ
1162
太上天皇
百首の歌召されし時、絶戀
こと浦に心をかけしかた帆より跡まで知らぬ中のはや舟
1163
讀人志らず
煩ひて久しうこざりける男の許よりさうぶの實を遣して身のなり行くさまを見せばやと云へりける返りごと にむすめに代りて
永からぬうきねと見れば菖蒲草我ぞ物思ふ身とはなりぬる
1164
中納言朝忠
語らふ女の音せぬに
今年生ひの竹の一夜も隔つれば覺束なくもなり増るかな
1165
太上天皇
をのこども題を探りて卅首の歌仕うまつりける時變戀と言へる事を詠ませ給ひける
頼めこし淺茅が末に秋暮れて今はのつゆを袖にかけつゝ
1166
讀人志らず
思ひやみにたる事を傳ふる人の許より
嵐吹く外山の紅葉冬來れば今はことの葉絶え果てぬらむ
1167
前大納言公任
とありければ
遠近の嶺のあらしに言とはむいづれの方か色はかはると
1168
從二位嚴子
題志らず
今こむと契りしなみも早越えぬうき僞のすゑのまつやま
1169
津守國助
變戀
越えぬなり末の松山すゑ遂にかねて思ひし人のあだなみ
1170
崇賢門院
百首の歌奉りし時、絶戀
逢ふ事は遠山鳥のおのづから影見し中もへだて果てつゝ
1171
定顯法師
戀の歌に
果は又ゆくへも知らぬ村鳥の立つ名ばかりを何歎きけむ
1172
太宰大貳重家
逢不會戀
御狩野のつかれになづむ箸鷹のこゐにも更に歸りぬる哉
1173
大江宗秀
題志らず
つらかりし鳥の音計り形見にて我が逢坂は隔て果てゝき
1174
宜秋門院丹波
千五百番歌合に
中々に越えてぞ迷ふ逢坂の關のあなたやこひ路なるらむ
1175
權大納言宗實
題志らず
立ち歸り越ゆべき物と思ひきや絶えにし中のあふ坂の關
1176
源頼之朝臣
寄關戀と云へる事を
通ふとも人は知らでや宵々に心のせきのさはり果つらむ
1177
侍從爲敦
百首の歌奉りし時、遇不逢戀
關守の打ちぬる程と待ちし夜も今は隔つる中のかよひ路
1178
前大納言爲家
同じ心を
今は早十市の池のみくり繩來る夜も知らぬ人に戀ひつゝ
1179
秀胤法師
題志らず
小山田の引板のかけ繩絶えしより驚かすべき便だになし
1180
藤原行詮
今は早よそにみつのゝこも枕假寐の後はゆめだにもなし
1181
三善頼秀
面影を忘れもやらぬこゝろこそ人の殘さぬ形見なりけれ
1182
兵部卿隆親
寶治の百首の歌奉りける時、寄橋戀
舊りにける長柄の橋の跡よりも猶絶えぬべき戀の道かな
1183
藤原長秀
同じ心を
片糸のをだえの橋や我が中にかけしばかりの契なるらむ
1184
平貞秀
寄水戀と云ふ事を
さもこそは淺き契のすゑならめやがて瀬絶えし中河の水
1185
前中納言爲忠
貞和二年、百首の歌に
如何にせむ憂き中河の淺き瀬に結ぶとすれば絶ゆる契を
1186
讀人志らず
題志らず
中川の淺き契のすゑかけて猶も逢ふ瀬をたのむはかなさ
1187
衣笠前内大臣
思ひ出づや荒磯なみのうつせ貝われても逢ひし昔語りは
1188
津守國量
權中納言爲重の家にて三首の歌詠ませ侍りしに、絶不逢戀を
我が中は身を宇治橋と舊りしよりいざよふ波を懸けて戀ひつゝ
1189
宗祐法師
題志らず
よそにのみ鳴海の海の沖つ浪立ち歸りてもしたふ頃かな
1190
讀人志らず
人目もる山下くゞる水莖のかき絶えぬるか音づれもせぬ
1191
參議雅經
み草のみ茂る板井の忘れ水汲まねば人のかげをだに見ず
1192
權中納言爲重
思ひ出でよ野中の水の草隱れもとすむ程の影は見ずとも
1193
前大納言宗明
結び置くもとの契の面影も見えぬ野中のみづからぞ憂き
1194
前大納言爲家
かき遣りし山井の清水更に又絶えての後の影を戀ひつゝ
1195
寶篋院贈左大臣
延文の百首の歌に、寄枕戀
敷妙の枕にかゝる涙かな如何なるゆめの名ごりなるらむ
1196
入道二品親王尊道
同じく奉りける百首の歌に、寄衣戀
須磨の蜑の潮垂衣朽ちぬ間や間遠ながらも重ねきつらむ
1197
左兵衛督基氏
寄虫戀を詠める
枯れ果つる人の契は淺茅生になほ松虫の音こそなかるれ
1198
宗覺法師
題志らず
白菊の移ろひ果つる契ゆゑ濡れて干す間も無きたもと哉
1199
大納言通具
さても猶えやはいぶきの下草の跡なき霜に思ひ消えなむ
1200
寶篋院贈左大臣
延文の百首の歌に、寄風戀
吹く風に嶺越えて行くうき雲の如何に跡なき契なるらむ
1201
安嘉門院高倉
題志らず
言の葉のかゝる方なくなりぬれば僞さへぞ今はこひしき
1202
後岡屋前關白左大臣
貞和二年百首の歌奉りけるに
遠ざかる人の心に任せなば見し面かげも身をやはなれむ
1203
太宰權帥仲光
永徳元年六月十二日内裏にて三十首の歌講ぜられけるに、違約戀と云ふ事を
遂にさて障り果てぬる人目こそつらきかごと の契なりけれ
1204
祝部行親
會不逢戀
昔ともおもひなされぬ面影におなじ世つらき身の契かな
1205
權律師實藏
題志らず
面影の殘るかたみもかひぞ無き見し夜の夢の契ならねば
1206
中宮大夫公宗母
文保の百首の歌に
自ら思出でゝも訪はれぬは同じ世になき身とや知るらむ
1207
大中臣行廣朝臣女
戀の歌とて
今はたゞ思ひ絶えねと月日さへ隔つる中を何したふらむ
1208
後二條院御製
忍絶戀を
志ばしこそ人目思ひし宵々の忍ぶ方より絶えや果つべき
1209
今出河院近衞
題志らず
同じ世に何慕ふらむ有明の面かげばかりさらぬわかれを
1210
源氏經朝臣
廻り逢ふ月こそひとの形見とも涙曇らで見る夜はぞ無き
1211
伴周清
よしさらば涙いとはで袖の月曇るをだにも形見とや見む
1212
前關白左大臣
百首の歌奉りし時、遇不逢戀
今はまたありしその夜の面影もつらき形見に月ぞ殘れる
1213
源頼遠
題志らず
忘れては見し夜の影ぞ忍ばるゝ憂き習はしの有明のつき
1214
源親長朝臣
そのまゝに頓て別れの形見とも知らでぞ見つる有明の月
1215
後二條院御製
忘らるゝ身をこそ月に喞ちつれ人をうらみぬ心よわさに
1216
正二位隆教
嘉元の百首の歌奉りけるに
あだ人の形見顏なる影も憂し見し世に變る山の端のつき
1217
西園寺入道前太政大臣
題志らず
待つとせしならひばかりの夕暮に面影のこる山の端の月
1218
左衛門督資康
三十首の歌講ぜられける時、寄鏡戀
面影は殘るともなき眞澄鏡曇るなみだもよしやいとはじ
1219
法印守遍
題志らず
つらしともたれをかこたむ眞澄鏡曇るも人の泪ならねば
1220
前大納言爲家
人はいさ鏡に見ゆる影をだにうつる方には頼みやはする
1221
攝政太政大臣
延文の百首の歌に、寄鏡戀
何時よりか鏡に見ゆる影をさへ向ふ泪にへだて果てけむ
1222
讀人志らず
題志らず
月日のみうつるにつけて眞澄鏡見し面影は遠ざかりつゝ
1223
前大納言爲氏
寶治の百首の歌奉りける時
眞澄かゞみ何面影の殘るらむつらき心はうつりはてにき