新拾遺和歌集 (Shin Shūi wakashū) — 新拾遺和歌集卷第七 賀歌 作者複数 (Various) 1364 Shin Shūi wakashū 新拾遺和歌集 Various 作者複数 Kamakura-Muromachi-Azuchi-Momoyama Period 中世 14th century 14世紀 Poetry 韻文 Japanese 日本語 Text 本文 1364 しんしゅういわかしゅう Shin Shūi wakashū 新拾遺和歌集 しんしゅういわかしゅう Various 作者複数 さくしゃふくすう
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新拾遺和歌集 Shin Shūi wakashū
作者複数 Various
新拾遺和歌集卷第七 賀歌
677
元正天皇御製
左大臣の佐保の家にみゆきせさせ給うける時
旗ずゝき尾花さか葺き黒木もてつくれる宿は萬代までに
678
法成寺入道前攝政太政大臣
長元四年九月上東門院住吉の社に詣でさせ給ひける時人々歌詠み侍りけるに
君が代は長柄の橋のはじめより神さびにける住吉のまつ
679
西園寺入道前太政大臣
建久二年八十島の祭に住吉に罷りて詠み侍りける
君が代は八十島かくる波の音に風靜かなり住のえのまつ
680
津守國助
弘安八年住江に御幸ありて行旅述懷といふ事を詠ませられ侍りけるに仕うまつりける
神代より相生の松もけふしこそありて千年のかひも知るらめ
681
權大納言公明
松延齡友といふこと をよみ侍りける
常磐なる玉松が枝や幾千代も君がよはひに蔭をならべむ
682
等持院贈左大臣
暦應二年六月、仙洞にて、松影映池と云ふ事を
風通ふ松をうつして池水のなみも千歳のかずによるらし
683
爲道朝臣
弘安八年三月從一位貞子に九十の賀給はせける時詠み侍りける
算へ知る齡を君がためしにて千代の始の春にも有るかな
684
後嵯峨院大納言典侍
龜山院の御時龜山殿に行幸ありて花契遐年と云ふ事を講ぜられけるに
咲く花も今日を行幸のはじめにて猶行く末も萬世や經む
685
中院前内大臣
萬代の君がかざしにをりを得てひかり添へたる山櫻かな
686
法橋顯昭
二品覺性法親王に八重櫻に添へて遣しける
君が經む千歳の秋を重ぬべきためしと見ゆる八重櫻かな
687
二品法親王覺性
返し
千世經べき例と聞けば八重櫻重ねて最ど飽かずも有る哉
688
前中納言定家
元久三年正月高陽院殿にて、庭花春久と云ふ事を
新玉の年の千とせの春の色をかねてみかきの花に見る哉
689
今出川入道前右大臣
元徳二年中殿にて花契萬春と云ふ事を講ぜられしに
君が爲久しかるべき春に逢ひて花もかはらず萬代や經む
690
前參議爲秀
文和五年二月松有佳色と云ふことを仕うまつりける
君のみや千歳の春の花の色に十返り迄になれむとすらむ
691
照光院前關白右大臣
康永三年後の二月仙洞に松遐年友と云ふ事を講ぜられけるに
千歳とも限らぬ君が友なればまつも花咲く春やかさねむ
692
入道前内大臣
色變へぬ藐姑射の山の峯の松君をぞ千世の友と見るらむ
693
前大納言經顯
ひさに經む友とや君に契るらむ十返りの松の花の咲く迄
694
前大納言公蔭
松が枝も八百萬代の色に添ふ千とせも飽かぬ我が君の爲
695
前大納言忠季
行く末を思ふも久し姫小松いまより君が千世をちぎりて
696
前參議實名
貞治二年二月春松久緑と云ふ事を講ぜられけるに
君が經む千歳の春の行く末も松のみどりの色に見ゆらし
697
藤原雅家朝臣
幾千世ぞみどりを添へて相生の松と君との行く末のはる
698
花園院御製
卅首の歌召されしついでに
色變へぬ尾上の松に吹く風は萬代呼ばふ聲にぞ有りける
699
左兵衛督基氏
題志らず
鶴が岡木高き松を吹く風の雲居にひゞくよろづ代のこゑ
700
前大納言俊光
文保の千首の歌奉りし時
君が住む藐姑射の山の玉椿八千世さかえむ末ぞひさしき
701
御製
百首の歌召されし時、祝言
世を治め民を憐むまこと有らば天つ日嗣のすゑも限らじ
702
等持院贈左大臣
四方の海七つの道も我が君の御代ぞ治まる始めなりける
703
後醍醐院御製
正中の百首の歌召されける次でに
四方の海治まりぬらし我が國の大和島根に波しづかなり
704
皇太后宮大夫俊成
建仁三年十一月和歌所にて九十の賀給はりける時仕うまつりける
百歳に近づく人ぞ多からむよろづ代經べき君が御代には
705
正三位經家
和歌の浦に寄る年波を算へ知る御代ぞ嬉しき老らくの爲
706
後鳥羽院宮内卿
同じき時給はせける法眼の袈裟のおき物にすべき歌召されけるに
存らへて今朝や嬉しき老の浪八千代をかけて君に仕へよ
707
建禮門院右京大夫
此の歌を賀せられむとて召されて參りて終夜見侍りてなべてならぬ道の面目いみじく覺えける餘りにつとめて申し遣はしける
君ぞ猶今日よりも又算ふべきこゝの返りの十の行くすゑ
708
皇太后宮大夫俊成
返し
龜山の九返りの千とせをも君が御代にぞ添へゆづるべき
709
式部卿敦賢親王
承保三年大井川に行幸の日詠める
大井川みかさや増る龜山の千世のかげ見る行幸と思へば
710
衣笠前内大臣
建保六年中殿にて池月久明と云ふ事を講ぜられけるに
君が世はのどかに澄める池水に千歳をちぎる秋の月かげ
711
從三位行能
影清き池のかゞみに照る月も曇る時なくよろづ代や經む
712
信實朝臣
明らけき御影になるゝ池水を月にぞみがくよろづ代の秋
713
前中納言定家
建保二年九月、月契千秋と云ふ事を
君が世の月と秋とのあり數におくや草木の四方のしら露
714
權大納言行成
東三條院石山に詣でゝおはしましけるに秋の盡くる日人々浮橋といふ所に罷りて歸りがてにして歌詠み侍りけるに
君が代に千度逢ふべき秋なれどけふの暮をば惜みかねつも
715
前大納言實教
後宇多院紅葉の頃昭慶門院に御幸ありて人々枝に歌をつくべき由仰せられけるに詠める
雨露の惠に染むるもみぢ葉の千しほは君が千代の數かも
716
後宇多院宰相典侍
元弘三年、立后の屏風に
咲き初むる眞垣の菊の露ながら千世を重ねむ秋ぞ久しき
717
三條内大臣
崇徳院位におはしましける時法金剛院に行幸侍りて菊契千秋と云ふ事を詠ませ給ひけるに
君が世の數に重なる物ならば菊は幾重もかぎらざらまし
718
前關白左大臣九條
百首の歌奉りし時、庭竹
紫の庭にみどりの色添へて行くすゑ遠き千代のくれたけ
719
後照念院關白太政大臣
正和五年内裏造營の比竹臺の呉竹を尋ねられけるを奉るとて結び付けゝる
世々を經し御垣の竹の種なれば末も千歳の色ぞ添ふべき
720
内大臣
延文四年庭上鶴と云ふ事をよませられけるに
治れる雲居の庭にきこゆなり心解けたるたづのもろごゑ
721
辨乳母
人の子生ませ侍りけるにうぶぎぬ遣すとて
鶴の子の巣立ち始むる毛衣は千世に八千世を重ねてぞ着む
722
源師光
祝の心を
蓆田に千歳をかねて住む鶴もきみが齡に志かじとぞ思ふ
723
權僧正永縁
十二月晦日に藤原基俊の子法師と云ふが許にもちひ鏡遣すとて云ひ遣しける
としを經て司位を眞澄鏡千代のかげをばきみぞ見るべき
724
基俊
返し
萬世に萬世添へて眞澄鏡きみがみかげにならべてぞ見む
725
權大納言義詮
百首の歌奉りし時、祝言
我が君は人をかゞみと磨くなり心くもらで千世も仕へむ
726
法印定[3]B 3
題志らず
和歌の浦に二度玉を磨くこそあきらけき世の印なりけれ
727
入道二品親王法守
貞和の百首の歌奉りし時
天地と共に久しき敷島のみちある御代に逢ふがうれしさ
728
津守國冬
嘉元の百首の歌奉りける時
我が君は斧の柄朽ちし年を經て民の七世の末に逢ふまで
729
源有長朝臣
洞院攝政の家の百首の歌に、祝
君が世は豐芦原の秋つすに滿ち干る潮の盡きじとぞ思ふ
730
藤原經衡
後三條院の御時、大甞會の備中國の歌
はるかにぞ今行く末を思ふべきながをの村のながき例に
731
前中納言匡房
堀川院の御時、大甞會の近江國の歌
みかみ山岩根に生ふる榊葉の葉がへもせずて萬代や經む
732
清輔朝臣
高倉院の御時、大甞會の備中國の歌
曇なき玉田の野べの玉日影かざすや豐のあかりなるらむ>
733
同じき御屏風の歌
遙々とくもりなき世をうたふなり月出が崎の海士の釣舟
734
權中納言時光
今上の御時、大甞會の御屏風に
時を得てちたの村人幾千度取れども盡きぬ早苗なるらむ
735
前大納言爲定
文保の百首の歌奉りける時
敷島の道も今こそ榮えけれよろづ世捨てぬ君がめぐみに
3 [3] Kanji in place of B is not available in the JIS code table. The kanji is Morohashi's 1721.